長寿の生物タンザニアに住んでいた時。時々、近所のちびっ子がいろんな生物を捕まえて。 俺の所に持ってきた。 それは、カメレオンだったり。 kalunguyeye(ハリネズミ)だったり。 ヤモリや、時にはオオトカゲなんかもあったりする。 ちびっ子たちは、俺にそれを売る目的で持ってきているのだ。 ちょっとした小遣い稼ぎだ。 そんな中で、カメもあった。 ↑ ヌマヨコクビガメ ヌマガメの仲間には、潜頸目と、曲頸目というのがある。 潜頸目は日本でもなじみの深いクサガメや、イシガメなんかはそれだ。 首を縦にもぐらせる仲間。 アフリカのカメは、ちょいと一味違う。 首を潜らせる事ができないので、甲羅の横に申し訳なさそうに首を隠すのだ。 それがこの仲間。 その他に、リクガメがある。 ↑ ホウシャガメ こいつらは、池の近くじゃなくて、サバンナとか草原をうろちょろしている。 しかものろいので、簡単に子供に捕まっちゃうんだ。 俺は、こういった動物を持ってこられても一回も買った事がなかった。 もしここで買ってしまうと。 これが子供たちの学習となり。 将来的に密猟に繋がりかねないからだ。 俺が買わない事を知ると、ちびっ子たちは、すぐ諦めて俺の家の庭に放していっちゃうんだけどね。 俺がカメでも食うと思ってたのかな? さて、こんなカメだけど。 日本のペットショップでは、ものすごい値段で売られている。 ホウシャガメなんか10万円以上だと?? まじで?? ちびっ子たちが、俺に言った値段は500Tsh(約50円)。 う~ん、買っときゃぁよかったかな? 奴隷貿易時代。 インド洋に浮かぶアブダブラ諸島から連れてこられ、そしてそのまま置き去りにされたゾウガメが、ザンジバル島のはずれの小島プリズン島に住んでいる。 ↑ ザンジバルの主、ゾウガメ。 このプリズン島は、言う事を聞かない、奴隷としては悪いやつらをこの島へ監禁してよい奴隷となるようにしつけるための刑務所だったそうだ。 そう、とてもとても悲しい歴史のある島なのだ。 そこに住むゾウガメは、その当時にインド洋の果ての小島からつれてこられて、それ以来ここで暮らしている。 ゾウガメの寿命は果てしなく長いのだ。 200年くらいはへっちゃらなんだ。 つまり、こいつらは当時の悲惨な状況を目撃している生き証人なのだ。 彼らは、今ではこの島を管理するザンジバル政府によって手厚く保護されているけれども。 それは、その悲しい歴史を忘れてはいけないという事を表しているかのようだ。 このプリズン島へ行った時に、このゾウガメとであった。 それで彼の背中にも乗せてもらった。 その背は、大きく。 アフリカ人がこのザンジバルから奴隷として輸出されて行く光景を。 ひたすら見ていたに違いない。 悲しく、重い人間の歴史を。 目撃し、そしてただ沈黙を守り、今も行き続けているんだ。 |